PROJECT

尖った技術を身に付けたエンジニアの力、そして、同じ目標を持ったチームの力。
それらを最大限に活かし、大きな成果に結び付けたプロジェクトの一例をご紹介します。

CASE 3

船舶認証取得プロジェクト

自動車エンジンの測定技術を、
船舶に応用。
新しいフィールドへの挑戦が、
新しいビジネスを開拓した。

プロジェクトメンバー

  • 戸井田忍(プロジェクトリーダー)
  • 大尾勇治
  • 小暮 脩

OUTLINE

船舶を製造・販売するためには、安全性を認証する数々の審査を受けなければならない。その一つとして設けられているエンジンのねじり振動の測定業務が、パーソルR&Dに持ち込まれた。商用車用エンジンのねじり振動測定には豊富な経験がある。しかし、船舶となると経験もなく当社と測定方法が違う。解決策を見つけ、認証を取得するまでに与えられた時間は約2ヵ月間だった。

MISSION

  • 船舶用エンジンのねじり振動測定器を使った計測を習得すること。
  • 審査時間が45分という短時間での測定業務を実現すること。
  • 問題点を予め抽出し、審査までに対応策を用意すること。

PROJECT

自動車用でも船舶用でも、クランクのねじりが発生している。当社では、エンジンの前側と後ろ側でのセンサの位相差をねじり振動として測定している。しかし、今回取り組んだ船舶用エンジンの測定は、条件が大きく異なった。まず、エンジンのサイズが自動車とは比較にならないほど大きい。審査時間が45分間と短いことも難問の一つ。測定はもちろん、準備も撤収もその間に済まさなければならない。こうした厳しい条件下で作業を行い、正確な数値を測定するために、スペシャリストによるプロジェクトチームがつくられた。選出されたのは、社員に対して計測の基礎から実践までを教育する勉強会「計測道場」で講師を務める二人と営業担当。センサーの取付方を工夫した測定方法の選択、商用車用エンジンを使ったシミュレーション、より正確な測定値を得るための対策───彼らによる施策全てが奏功し、無事認証を取得。船舶は予定通りに販売された。

戸井田 忍(プロジェクトリーダー)

当社では経験の無い、前側だけにセンサーをセットしてのねじり振動測定。新たにソフトを購入し、測定器を商用車用エンジンにセットし、シミュレーションできたのは延べ3日間程度。大半の時間はセッティングの練習と調整に費やすこととなりました。また、予測される問題点を抽出するなどできる限りの用意をしましたが、船舶用エンジンで測定するのは審査当日が初めて。まさにぶっつけ本番で臨みながら認証取得できたのは、自動車エンジンの耐久機能測定で培ったノウハウも役に立ったと実感しています。

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小暮 脩

正確な測定データを得るためには、わずかなノイズも避けなければなりません。センサーを取り付ける治具の素材によってはノイズ(振動)が発生すると予測されたため、アルミニウムを用いた治具の製作を依頼しました。しかし、審査当日に手にしたのは、手違いによって届けられたスチール製のもの。テストしてみると、やはりノイズが発生したため使用を断念し、ケーブルを使って止める方法に切り替えました。とっさの判断で切り抜けられたこの事例は、忘れられないものになっています。

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大尾 勇治

戸井田、小暮が講師を担当している「計測道場」は、社員から社員への技術やノウハウ伝承のために開催している勉強会。講師自らがテキストをつくり、初級・中級・上級、そして実践という4講座をそれぞれ1日ずつ開いています。大きなポイントは、生徒となる社員だけてはなく講師の成長も見込んでいること。話したり資料を作成したりすることで、改めて発見することが多くあります。船舶用エンジンのねじり振動測定のような珍しいケースの仕事が飛び込んできても、「やってみよう」となるのは、技術や知識のストックがあるからできることだと思います。

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船舶認証取得のために必要なエンジンねじり振動測定。この業務を推進したプロジェクトチームは、車両やエンジン、ドライブラインなどに関するデータの採取や評価、解析、対策実験などを行う実験部に所属している。技術提供だけでなく、様々な実験業務を通して新たな技術・製品開発につながるようなサービス提供を。このプロジェクトは、そうしたパーソルR&Dの事業領域拡大をめざした動きを象徴したものになった。

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