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新たなエネルギー利用や冷却方法実現に向けた研究成果を公表

高効率なアンチストークス発光の観測に成功

高効率なアンチストークス発光の観測に成功

千葉大学は、2022420日、高効率なアンチストークス発光(注1)の観測に成功したことを発表しました。

観測に成功したのは、梶野祐人特任研究員(千葉大学大学院理学研究院)と山田泰裕准教授(千葉大学大学院理学研究院)、金光義彦教授(京都大学化学研究所)、小島一信教授(大阪大学大学院工学研究科)らの研究グループで、低温である70 K(=-203 ℃)でのアンチストークス発光の観測にも成功しています。

同研究成果報告では、光学冷却には発光量子効率が97%以上必要であるとした場合、原理として、ハロゲン化金属ペロブスカイト(CsPbBr3/Cs4PbBr6)で半導体光学冷却が実現可能であることが説明されています。この報告は、2022414日、Physical Review Materials(米国物理学会国際学術誌)に掲載されました。

(注1)発光とは、半導体に一定以上の高いエネルギーをもつ光を入射した後、電子が光を吸収して高いエネルギーの状態をとり、それが元に戻るときに光を放出すること。入力光のエネルギーよりも高いエネルギーの発光をアンチストークス発光と呼ぶ。

「無振動無冷媒」冷却や新しいエネルギー利用実現へ

「無振動無冷媒」冷却や新しいエネルギー利用実現へ

CsPbBr3/Cs4PbBr6の電子-フォノン相互作用が光学冷却に対する材料系として期待が高いことも判明しました。相互作用の大きさが適しているためです。理論上、半導体を利用したアンチストークス光学冷却は、10 K(=-263 ℃)程度まで冷却することが可能です。

同研究グループは、CsPbBr3ナノ構造の割合をCs4PbBr6内で高くすることが実用的な光学冷却に必要であるため、複合ナノ構造の形成過程の研究を進めていくとともに、発光効率を100%に近づける重要性を指摘しています。

今後、「無振動無冷媒」冷却や新しいエネルギー利用も見込める半導体光学冷却の実現に向け、挑んでいくとのことです。

(画像はプレスリリースより)

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