ニュース(プレスリリース)

パーソルクロステクノロジーに関するニュースについて紹介します。

3Dプリンター造形で「風洞実験ソリューションサービス」を開始(ニュースリリース)

2022.10.04

プレスリリース

2022年10月4日
パーソルR&D株式会社

パーソル、3Dプリンター造形で「風洞実験ソリューションサービス」を開始

~自動車などの燃費向上に向け、大型模型の設計から製造、解析までワンストップで提供~

 パーソルグループで技術系エンジニアリング事業を手掛けるパーソルR&D株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:礒田 英嗣、以下パーソルR&D)は、オリックス・レンテック株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:細川 展久、以下オリックス・レンテック)と協業し、3Dプリンター造形での風洞実験ソリューションサービスの提供を開始します。これにより乗用車やトラックなどの燃費改善のための空力アイテム開発に悩むお客様に対し、設計から造形、測定、解析、実験までワンストップでのご支援が可能となります。

■背景:自動車の製造事業者は、新燃費基準への対応が必要

 自動車からのCO2排出量は日本国内全体の排出量の約15%※1を占めており、地球温暖化対策の一つとして、近年、自動車の燃費性能の改善に注目が集まっています。また、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」※2においては、電気機器に加え、自動車も「特定エネルギー消費機器」として定められ、エネルギー消費効率の改善が推奨されています。そのため乗用および貨物自動車には、省エネ法に基づき製造事業者などが達成すべき新たな燃費基準が設定されました。これにより自動車メーカーや輸入事業者などは、重量区分ごとの各目標年度(乗用車:2030年度※3、重量車:2025年度※4)までに平均燃費値の改善が求められています。

※1:国土交通省|環境
 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html
※2:経済産業省|資源エネルギー庁 省エネ法
 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/
※3:国土交通省|乗用車の2030年度燃費基準を策定
 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000228.html
※4:国土交通省|2025年度を目標年度とする重量車の燃費基準を策定
 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000211.html

■オリックス・レンテックと「3Dプリンター造形を活用した風洞実験ソリューションサービス」を開始

 上記の新燃費基準への対応により、空気抵抗を低減し燃料消費が抑制できる「空力アイテム」の需要が高まっていますが、開発には膨大な手間や時間が掛かるため、自動車関連メーカーの技術的課題の一つとなっています。中でも、物体への空気の流れの影響を把握するための「風洞実験」では模型精度が結果に多大な影響を与えます。さらに従来、トラックなど大型車の風洞実験用模型は、高精度の造形が難しいFRPハンドレイアップ造形※5での製作を余儀なくされ、寸法精度に課題を抱えていました。そこで、自動車、産業機械、家電などの設計開発、解析、実験に長年従事しているパーソルR&Dと、3Dプリンター造形から導入支援、レンタルまで総合的に手掛けるオリックス・レンテックが協業し、大型車にも対応可能な「風洞実験ソリューションサービス」を開始します。3Dプリンター造形で製作した模型を仕上げ加工まで行う事で、FRPハンドレイアップ造形で製作した模型と比較し、1/10程度の製作誤差に抑えることができ、より高精度な模型を製作することが可能となります。

※5:Fiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)と樹脂を刷毛などで模型の型に含浸させ、脱泡後に硬化させる造形法

■サービス概要

 自動車や小型モビリティ、航空宇宙機器など各種製品について状況に応じた風洞実験用高精度模型を製作します。模型製作以外にも風洞実験代行サービスなど、風洞実験に関する多種多様な課題を一括でサポートします。

①3D CADデータ作成サービス

意匠データから、ボディー、グリル、バンパー、ヘッドライトなど各部品の詳細な3D CADデータを作成。風洞実験用の強度を考慮した構造設計や、気圧計測用のベンチュリー管のレイアウトなどもご提案可能です。

②3D模型製作サービス

複数部品の模型とすることで、任意の部分を交換する複数パターンの風洞実験が可能となり、模型製作コストを大幅に削減できます。お客様のニーズに合わせて、塗装や補器類の取り付けにも対応します。

③高精度3Dスキャン測定サービス

製作模型を高精度3Dハンドスキャナーで測定し3Dデータを取得します。模型の製作時に用いた「3D CADデータ」と「スキャンした実測値」との誤差を把握することができます。

④風洞実験サービス

お客様保有の風洞実験設備の活用から、風洞実験場を手配しての実験まで、幅広くお客様のニーズに対応し、トラック1台から単一部品までの風洞実験を代行します。

⑤空力解析サービス

3D CADデータ、高精度3Dハンドスキャナーで測定したデータを利用した空力解析を実施。車輌全体とエンジンルーム内までの空気の流れから、流速、流量、圧力分布、温度分布まで対応可能です。

 パーソルR&Dとオリックス・レンテックはこれからも、高精度模型製作による風洞実験の精度向上を通じて、地球温暖化対策のため、自動車などの燃費改善とCO2排出量削減に貢献してまいります。

■パーソルR&D株式会社について<https://www.persol-rd.co.jp/

 パーソルR&D株式会社は、自動車、航空宇宙、ロボット、デジタル家電などの領域で、技術コンサルティング、一括請負、部分請負、技術者派遣にて、企業様の設計・開発をサポートしています。
 これからも、機械・電気電子・制御ソフト分野の設計、実験・認証サービス、モデルベース開発(MBD)の技術を駆使し、設計、研究開発から実験までの「ワンストップサービス」を提供してまいります。

■オリックス・レンテック株式会社について<https://www.orixrentec.jp/

 オリックス・レンテックは、1976年に日本初の計測器レンタル会社として創業し、以来ハイテク機器のレンタルを中心に事業を展開するなか、日本のものづくりを支援するために、2015年に金属3Dプリンターによる造形出力サービスを開始しました。少子高齢化や人口減少を背景とした製造現場における人手不足が深刻化するなか、省人化・省力化、生産性の向上などさまざまな課題を解決する利便性の高いサービスを提供することで国内産業の発展に貢献してまいります。


本件に関しては、こちらのページよりお問い合わせください。

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